硬いもの、どんとこい!
哺乳類という大きなグループの中に齧歯(げっし)類(齧歯目)というグループがあります。
このグループの特徴を一言で紹介すると、立派な前歯が生えておりこの歯は一生伸び続けます。
※齧歯類については以下の記事内で詳しく紹介しておりますのでお時間がある時にぜひ読んでいただけると幸いです😊
カピバラも齧歯類であるため、立派な前歯を持っています。
見てください、この前歯を!
この歯で野菜をしゃくしゃくと良い音立てながら食べるのですが、その音を聞くのが私は好きで多くのお客様からも「この音が気持ちいい☺️」というお声をいただいています。
では、カピバラたちは普段どんなものを食べているのでしょうか?
こんなものを食べています!
白菜やキャベツ、レタスといった柔らかい葉物から甘くて触感も楽しめるリンゴやカボチャまでいろんなごはんがありますね。
あまり聞きなじみのないものですがイネ科植物のイタリアンライグラス(時期によってはイタリアンミレット)は主菜にあたるもので、これももさもさと食べています。
あげ方ですが、スーパーから頂く野菜は1枚1枚の葉の状態で入っていることが多いためそれをそのままあげています。
しかしその中にきれいなキャベツがひと玉そのまま入っていた時やカボチャ、リンゴ、サツマイモなどをいただいたときは切ることなくそのまま上げるようにしています。
「え!?大丈夫なの!!?」
そう思われた方は多いかもしれませんし、実際に現場でもたまに聞くひとことです。
ご心配なく。問題はありません。
むしろ、カピバラたちにとって大切なことでもあるんです。
カピバラを含む齧歯類は初めにも書いた通り前歯が伸び続けます。
ということは、どんどん伸びていくと歯が長くなりすぎてかみ合わせが悪くなりごはんを上手く食べれなくなってしまいます。
そうならないようこまめに削る必要があるのですが、カピバラたちの負担を考えると毎回押さえて麻酔をかけるわけにもいきません。
しかしそれを防げる方法があります。
それが「硬いものを食べる」ことです。
キャベツは歯を1枚1枚食べると柔らかいですが、丸かじりはなかなか難しそうですよね。
サツマイモやリンゴもできなくはないですが私たちの歯だと結構しんどいですよね。
カボチャに至っては私たちの歯だと折れてしまうかもしれません・・・💦
一方のカピバラたちはこれをバリバリ食べることによって歯が自動的に削られていきます。しかもおいしいものを味わいながら!
とても良いことですね♪
「でも硬い野菜がない時はどうしているの?」といった疑問が次いで浮かんでくる頃かと思いますがその点もご心配なく。
硬い配合飼料があります!
また舎内にカピバラたちがかじる用の気も入れており、硬いごはんがない時や時間ができたときなんかはそれらをガジガジとかじっています。
そのため当館で飼育するカピバラ2頭の歯の長さはちょうどいいくらいに保たれています。
カピバラたちの健康づくりは歯から!
その歯が良い状態であり続けるよう何を与え何をかじってもらうのか考えるのもカピバラ担当の大切な仕事のひとつですね。
最後になりますが、当館のカピバラたちの食を支えてくださる皆さまにこの場でお礼申し上げます。
飼育主任学芸員(カピバラも担当!)
フジ