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青鷺、襲来。

個人的に強く思う、うちに来てほしくないもの上位5位以内に入るやつが今年もやってきました。

アオサギです。

だいたいこれくらいの時期に水族館へやってくるんですが、この鳥がスタッフ、特に魚類班スタッフの頭を毎年悩ませるんですよね。

アオサギが当館に来る理由はひとつ、
食事です。

おらんくの池にいる魚や金魚たちをエサとしており、私たちが目を離した隙をついて魚たちを食べにきます。

今でこそメジナやカゴカキダイといった複数の魚が泳ぐおらんくの池ですが、私が初めて桂浜水族館に来たときはほぼフグしかいなかったんですよね。

入社してから知ったことですが、対策を取る前にアオサギの食害に遭って、食べられないと判断されたフグばかりが生き残ったんだと。
フグを食べたアオサギの仲間が犠牲になった姿を見て学習したのか、本能的に食べれないものと認識していたのか、とにかくフグばかりだったんですよね💧

初入館した時に撮ったアオサギ対策のPOP(2018年3月)

私が入る前から続いているアオサギとの睨み合いを、今も自分たちは続けているというわけです。

魚たちを狙って容赦なく食べていくんで、憎いって気持ちはありますよ。
そういう気持ちはあるんですが、アオサギも生きるのに必死で、過酷な環境の中先人が見つけた餌場に来て栄養補給をしようとしているだけなので、アオサギの行動そのものは全否定できません。

ただ私たちは飼育員で、守るべきは私たちがお世話をしている大切な魚たち。
こちらには大切なものを守るという事情があるので、私たちにできる対応をするようにしています。

おもちゃの銃で狙うとか罠を仕掛けるとか・・・
そういったことはもちろんせず、食べようとするのであれば食べられないようにするという方法で魚たちを守ります。

普段開けている金魚水槽の蓋を閉めきったり
営業時間外は池に網を張ったり
POPを掲示しつつ見回りを強化したり

田んぼに水をはるようになったらアオサギたちはそちらへ飛んでいくので、それまではお客さんにもご不便をおかけしますができる対策をして飼育動物たちを守っていきます!

飼育学芸員
フジ