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桂浜水族館新館、祝40周年!

1984年(昭和58年)、前年の高知空港ジェット化を記念し『'84高知・黒潮博覧会(通称:くろしお博)』が開催されました。

メイン会場には様々なパビリオンや遊園地などが立てられ、2ヶ月の間に約102万人の来場者が訪れるほど大盛況だったと言われています。

その協賛会場となった桂浜水族館は博覧会開催を契機に新館を建設することとなり、博覧会開幕初日の3月20日に新館もオープンしました。

それから40年、新館の大きなプールに今いるのはトドたちですが、そこでハンドウイルカやオキゴンドウといった鯨類が飼育されショーをしていた時代もありました。

現在のトドプール。奥にいるのがトドで手前はミナミアメリカオットセイ。


ペンギン舎では現在でも飼育しているフンボルトペンギン以外に屋内側(今はカワウソの兄弟がいるところ)でキングペンギンやイワトビペンギンの仲間も飼育されていました。

ヒョウゴベンダ ペンギン団地。右の白い部分がペンギン舎の屋内側でそこにキングペンギンなどがいました。


カリフォルニアアシカもたくさん生まれていましたしゴマフアザラシがいたこともあります。
当館スタッフが子どもの頃水族館を訪れたら水鳥がたくさんいたとも話していました。

カピバラ舎を内側から。上を見てみると、確かに鳥類の飼育施設として造られた名残がありますね。


そして、お亡くなりになったり他の施設へ行って今はいなくなった仲間もいますがトドやケヅメリクガメ、カピバラなどなど今でも共に水族館を盛り上げてくれている新しい仲間もたくさんやってきました。

また今でこそあまり見かけなくなってしまいましたが水族館の最も基本的な展示と言える本館内の「汽車窓式展示」、小さな水槽が壁面に並びそれが汽車の窓のように見えることからこう呼ばれますが、それも当時のまま現在に受け継がれ水族館の歴史を物語っています。

大きい水槽で生息環境の一部を切り取ったような展示をするのもおもしろいですが、こういった水槽には隣同士の生きものと比較しやすく大きさも程よいサイズなのでじっくり観察しやすいという利点があります。
旧海のギャラリー。今は「アキラの部屋」がある場所です。


たくさんの変化がこの40年間でありましたが、40年前からも、そして桂浜水族館ができた頃からも変わらないものだってあります。
それは桂浜水族館が地元の方々、地域の方々、そして当館のことが大好きな方々に愛され支えられている「おらんくの水族館」ということです。

おらんくとは、高知の言葉で「わたしの家」を意味します。

昔桂浜水族館に来たよって方がその時の思い出を懐かしみ、大人になってお子さんやお孫さんと再びいらして新たな思い出を受け継いでくださる地元の水族館として、たくさんの出会いや学びが溢れ何度でも足を運びたくなるような水族館として、そしてアットホームで温かみがあり皆さまと共にこの先の歴史を作り続けられる水族館として桂浜水族館はあり続けてほしい、そう私は思っています。

この先どんな未来が待っているかはわかりませんし、時の流れと共に動物たちもそこで働くスタッフも変わっていくかもしれません。
しかし何年経っても大切にすべきところは変わらず、おもしろい方へはどんどん変化していく、そんな水族館であるよう今ここで働く私たちはやるべきことと精一杯向き合い次の世代へ歴史を受け継いでいきます。

まだ6年目の私が語るには壮大なテーマでしたが、あと少しで桂浜水族館としては93周年を迎えます。
もっともっと壮大ですね!!
そんな桂浜水族館をこれからもよろしくお願いします!

目指せ95周年!
目指せ100周年!!
めざせ未来に残る水族館!!!

私が面接を受けに来た時に撮影した水族館(新館)の入口。2018年3月14日撮影。
最近の水族館入り口。2023年11月21日撮影


飼育主任学芸員
フジ

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