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Viva Hamasui まるやま水族館1

淡路島の南あわじ阿那賀に丸山という地域がある。
住所の地名として「丸山」は存在しない。
だが地域の人からは「丸山」と呼ばれている。
私たちが丸山と出会ったのは、あるひとりの青年の思いからだった。

過疎化が進む鄙びた漁師町。
全国的にも問題になっている高齢化。
漁業の衰退。
いろんな問題が山積みで、でも、そこで生きる若者たちがいる。
丸山が大好きで丸山をなんとか活気ある地域にしたい。
この思いを聞いたときにいっしょに何かできないかと感じた。

「水族館があったらいいな」
何気ない彼の一言に周りの視線が私に向いた。
その瞬間、周りは一気に水族館計画に目をキラキラさせ、
未来構想を各々が話し出した。
夢物語がその場を覆った。

今年の2月。
1日だけのまるやま水族館を開催。
地元とともに行うイベント。
青年たちは初めての試みでいろんな催しを考え水族館エリアと
ともに町を盛り上げようと必死だった。
彼らが経験のしたことのない事柄がたくさんある中、
「来てくれるお客様の喜んでもらいたい」の一心で試行錯誤した。
結果、ちいさな漁村に約5,000人の方が来場してくれた。
私たちも意外な来場者で驚くとともに、
しんどかったが開催してよかったと思った。
スタッフたちの知られざる力を垣間見れてよい経験となった。
青年らの夢のひとピースをともに叶えれたことに感謝し、安堵した。

「次は秋にやりたい!」
「1日だけやなくて長期で出来んやろか」
私は、青年たちの声に正直「・・・・。本気なが???」
長期になるといろんな負担も多い。
ハマスイ本体もままならないのに長期開催はリスクしかない
という警告音が頭の中に鳴り響いた。
しかもかなり高音アラームだった。
実施に向けて即答は出来なかったが、
青年たちの地元への思いを知るに従い乗りかかった船、いや、
乗ってしまった船。途中下船は出来まい。
ハマスイスタッフのコらにごめんという気持ち。
館長の独断になるがキミらも共に丸山の
船に乗ってくれと強制的に乗船させてしまった。

つづく