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リクガメ舎で多いご質問🐢

桂浜水族館の屋外エリアで暮らすリクガメたち。
飼育しているのはケヅメリクガメという種で現在は「ダイ」「ロク」という愛称の個体がおります。ちなみにどちらもオスです。

ダイ。顔が四角くごつごつしている。
ロク。ダイと比べてシュッとした顔つき。

ケヅメリクガメは特に子どもたちや家族連れからの人気が高く、舎内でお世話をしているといろんなご質問をいただくことがあります。
その質問をここでいくつかご紹介させていただきます。

どこに住んでるの?

ケヅメリクガメの本来の生息地はアフリカ中部の砂漠やサバンナです。
暑いイメージのあるところに住んでいるため猛暑でも大丈夫なのかといえばそういうわけではなく、野生のケヅメリクガメも暑い時は地面に穴を掘ってその中で暑さをしのいでいます。
そういった習性を持つためか、当館のリクガメも土の部分を前足で掘って舎内の地面をボコボコにしていますね😅


何を食べるの?

当館のリクガメたちは下の写真にあるようなイネ科植物や野菜、果物、多肉植物を食べます。

写真にはありませんが、小松菜やトマト、バナナにイチゴ、スイカなども食べます🍅🍉🍓🍌

イネ科植物のライグラスまたはミレットは主菜として、白菜やレタス、大根の葉などは副菜、カボチャやリンゴなど甘味のあるものはお菓子やデザートとして与えています。
ライグラスやミレットはニラやネギと間違われることの多い植物ですが、ニラ・ネギどちらも中毒症状を起こす可能性があるためリクガメには与えてはいけない野菜とされていますね。


好きな食べ物は?

なんでもよく食べるのですが、リンゴやバナナ、カボチャなど甘いものが好みのようですね。
またトマトも好きです。
これらを与えたときの食いつきは普段よりもぐんと良くなります。
ただ好きだからそればかりあげれば良いというわけではありません。
糖分の多いものばかり与えていると糖尿病のリスクがありますし、水分の多いものばかりだと腹を下すこともあります。
栄養価も考える必要がありますね。例えば水分が多めな白菜やリクガメにとってのカルシウムとリンの比率が理想的な大根の葉など、ある野菜の中で組み合わせを考え、栄養が偏らないようにしながらごはんを作ります。
大好きなものがあり、何でも好き嫌いなく食べるのがいちばんですね!


ごはんはどれくらい食べるの?

与えている量は夏と冬で大きく変わります。

冬は気温が低下することによって食欲が落ちるためごはんは少なめにしています。
また外は冷え込むため温かい小屋の中で過ごす時間が多く、あまり動き回ることもありません。
そのため冬は2日に1回、300〜500gくらいのごはんをあげています。
お腹が冷えると下痢や消化不良を起こしてしまうため、体を冷やさないよう気をつけつつ、消化しやすい大きさに切ったごはんをあげてます。

ある日のメニュー(ライグラス、カボチャ、白菜、大根の葉)。
冬場は2~3㎝ほどの大きさに切って与えています。

一方、夏場は食欲も行動力もかなり上がるためたくさんあげています。
野菜もあまり切ることはなくそのままに近い状態で、毎日1500g前後、多い時では2000gあげることもあります。
この時期は大きな口を開けて山盛りのごはんをバリバリ食べるので見ていてとてもおもしろい時期ですね☀️

てんこ盛りのごはんにかぶりつく様子。


リクガメって噛むの?

噛みます。
・・・とだけ言ってしまうと語弊がありますね💦
詳しくお答えすると、攻撃的に噛んでくることはありませんが、興味を持ったものに近づいていって噛むことはあります。
またごはんを食べているときに手を近づけると間違って噛んでしまうこともあります。
なのでこちらがそのことを理解し、頭に手を近づけないよう心がけていれば噛まれる心配はなさそうですね。
ちなみに、噛まれると痛いです。
これは私の体験談ですが、散らばしまくって食べていたごはんを寄せ集めて食べやすい位置にもっていったところ指をガブッと噛まれてしまい爪がきれいに割れました💧
それだけで済みましたが小さいお子さんの指であれば・・・。
悪意がないとは言え噛む力は強いので顔の近くには手を出さぬようお気をつけください⚠️


リクガメの上って乗れるの?

結構多く寄せられるご質問ですね。
リクガメたちは体も大きく丈夫な四肢で力強く歩くため、小さな子どもさんであれば乗れそうな感じはしますよね。
しかし、まぁ嫌がることでしょう。
少なくとも当館のリクガメたちは人が乗ることを想定した飼育はしていませんし、無理に乗ったり上から押し付けたりすると目ではわかりませんがきっと嫌な気持ちになっているのではないかと思います。
なので、当館では「乗ることはできません」とお答えしております🙇‍♂️



ほんの一部ですが、よくあるご質問を紹介させていただきました。
ありがたいことに、鳥獣舎周りで仕事をしているとお客様のいろんな声を耳にしますし興味深いご質問をいただくこともあります。
これからもみなさまの疑問にお答えしつつ、おもしろいと感じたものはこちらでも紹介させていただきますので、たくさんのご質問お待ちしております😆

飼育学芸員
フジ