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アミメウツボ《展示動物解説》

桂浜水族館の生きもの観察をもっとおもしろく、もっと詳しく‼️
こちらでは水槽周りの魚名板で紹介しきれなかった生きものたちの魅力を掘り下げていきます❗️

※生体の健康状態や展示替え等によって展示終了となりご覧いただけない場合もあります。ご了承くださいませ。

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標準和名 アミメウツボ
学  名 Gymnothorax pseudothyrsoideus
分  類 ウナギ目ウツボ科

◆解説
体には網目のような模様があり、これが和名の由来にもなっています。
この網目は成長とともに薄くなっていきます。

水槽内では遠目から見ると網目模様のように見えるのですが、近くで見てみるとわかりにくいものです。

アミメウツボの体。
離れて見ると・・・。
どことなく網目っぽさが伝わるかと思います。

同じ水槽内にいるとウツボ(Gymnothorax kidako)との見分けがわかりにくい時もありますが、ウツボが黄色っぽい体をしているのに対しアミメウツボは褐色の体をしています。
顔もよく見てみると似ているようでちがいますね。

また体はウツボよりも太いため同じくらいの長さの個体同士でもアミメウツボの方ががっしりとしているように見えます。

食べれなくはないのですが食用として認知されているウツボの大半がウツボ(Gymnothorax kidako)なので、食材としての情報は少なく食べる人も多くないと思われます。
※決してまずいウツボではなかったです。

スタッフひとこと 長めの雑談
ひとことというより雑談と言いますか、私の思っていることですが、
例えば「アジ」といったとき、アジの仲間全体を指すこともあればその代表的な種である「マアジ」を指すこともあります。
サバもそうですね。サバの仲間を指すこともあれば「マサバ」を指すこともあります。マグロであれば「マグロ」という標準和名の魚はいませんが、その言葉がクロマグロやミナミマグロ、キハダといったマグロの仲間全体を指します。
一方のウツボはどうでしょうか?
「ウツボ」といえばウツボの仲間全体を指すこともありますし、ウツボの仲間の一種である「ウツボ(Gymnothorax kidako)」を指すこともあります。
こういった文章を書くときいつも思うことなんですが、非常にややこしいんですよね。多くの魚であれば代表的な種には最初に「マ」がつくのにウツボにはつかない。なのでウツボ(仲間全体)とウツボ(種)を言い分けるときどうすれば誤解を招かない文章を書けるのか考えてしまいますね。その対策として種を指すときは標準和名の後ろに学名も書くようにしています。毎回そうすると分の量が多くなってしまうのですが、そうしないと少し上の文章であれば[~認知されているウツボの大半がウツボなので、~]と意味の伝わりにくい文章になってしまいますしね💦
私の書く文章で生きものの名前の後ろにアルファベットの文字列(学名)が出てきたら、ここでは全体ではなく種を指しているんだと受け取っていただけると幸いです。

【魚名板イラスト(館内展示)、note本文、スタッフひとこと】
フジ(飼育学芸員)


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