290 (再)(続)大敷網漁の魚達⑥ダイコクサギフエ 

  30年以上も前の事だがダイコクサギフエの幼魚(3~5cm)の大量入網が続いたことがあった。3月末頃、朝の漁で大敷網がせばまって来ると、海面がダイコクサギフエでうずまって赤くなってしまうようなこともあった。クチバシのとがった、変った形の魚なので水族館向きである。しかし大敷ではすべてゴミ扱い。「全部桂浜へつれて帰れ」と云われたこともあった。私は玉網でひとすくい分だけ(それでも千尾ちかい数)つれて帰った。丈夫ですぐに餌付いたのだが、6月半ばになるとバタバタ死んでしまう。調べてみると冷水系の魚で水温は20℃が上限とのこと。冷房設備のなかった旧館時代には無理な魚だったのである。そのダイコクサギフエは温暖化による海水温の上昇のに伴い、近年は全く姿を見かけなくなってしまっている。   今でも3~4月には、朝の漁のゴミが入ったかごを見ると少量のサギフエが見つかることもあるが、漁場で見かけることはない。

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