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台風接近中ですね🌀

台風がよく来る時期になりましたね。
今は台風10号がのろのろと近づいてきています。
数日前の予報よりもだいぶ遅い速度ですが桂浜に押し寄せる波は普段より高くなり、その波の高さで台風の接近が感じられますね。

子どものころは大きな台風が来ると学校が休みになったため不謹慎ながら内心期待した人は多かったのではないかと思いますが、社会人になると責任を持つべきことが増えるためそのころの考えはガラッと変わりますし、私たちのように海の真ん前で働くとなると大きな台風なんてほんとたまったものではないです💦
そもそも桂浜は遮るものが何もないためひどい時であれば「こんなとこまで波来るの!?」って驚くほど自然の驚異がすぐそこまでやってきますね。

私が入社して6年経ちますが、その中でも大きな台風はいくつか来ました。
その中でも特に印象に残っているのは2018年の9月末に来た台風。
入ったばかりの年で、高知は台風の通り道だと聞いてはいたのですがそのすさまじさを肌で感じました。

台風が来ているといえど動物を飼育している以上お世話はしてあげなければいけません。その日は確か午後から休館になり私を含む現場の飼育スタッフ数名が館内で業務を行っていました。
お客さんの声ではなく水の流れる音だけが響く館内。
外は土砂降り、風は強く波打ち際までそれなりの距離が離れているにもかかわらずすぐそこで波の音が聞こえていました。
驚くことに、水族館の数メートル先に波が来ていたんですよね。ほんと水族館を出てすぐ海があるような状態でした。

2018年9月30日撮影。水族館前に押し寄せた波。

桂浜に来たことあるって方であればおわかりいただけると思いますが、水族館と桂浜との間に遊歩道があります。それが波によって運ばれた砂によって完全に隠れてしまうくらい何度も何度も波がすぐそこまで押し寄せていました。
さらに驚くことに、その波が水族館にも入ってくることがあったんですよね。話には聞いていましたが、自然の恐ろしさをこれでもかというくらい感じた体験でした。

2018年9月30日撮影。水族館に入ってきた波。

その後も台風は何度も来ており、水族館内のテントが壊れたりガラスが割れたり、館内や獣舎内が落ちてきた松葉でいっぱいになったり、あとは「波の花」と呼ばれる泡が大量に飛ばされてきたときなんかもありましたね。

2022年9月18日撮影。大量に飛んできた「波の花」。

数大きな台風を経験しながらも現在までこの地で耐え続けてきた桂浜水族館。
人は自然に勝てませんし自然現象によって被害を受けるところもありましたが、どの地域も被害は少なく済んでほしいものですね。

私たちも台風が過ぎ去るまでは動物たちや建物を守るべくできる限りの対策をし、この台風を乗り越えていきます。

2024年8月27日のお昼ごろ。
このとき台風10号は奄美地方に接近。
波は朝から高く、暗い空になったかと思えば土砂降りになり、止んで晴れたかと思えばまた雨が降る、そして夕方からは晴れが続く、そんな天気でした。

飼育学芸員
フジ