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今日は『世界サメの日』🦈🌏

日に日に寒くなってますね。
みなさんはいかがお過ごしですか?

私はここ数日寝不足で、免疫力が低下したからか親知らず周りが過去一痛んで頭を抱えています・・・。

という話はさておき、本日は『世界サメの日』です!
この日はサメについてもっと知ろうという意味を込めて制定された日と言われています。

「サメ」と一口に言っても、世界にはいろんなサメが存在します。
白い悪魔の異名を持つホホジロザメ
世界最大のサメであるジンベエザメ
逆にサメ類世界最小クラスのツラナガコビトザメ
サメらしいフォルムで青い体の美しいアオザメ
トンカチみたいな頭が特徴的なシュモクザメ類
まるでヘビのような見た目をした深海鮫ラブカ
大きな口と長いエラが特徴のウバザメ
エイのように平べったいカスザメ
クジラやらマグロやらの肉を齧りとるダルマザメ
などなど。
いろんな見た目、いろんな色や名前のサメが浅い海や外洋、そして深海に生息しており、その数は500種を超えるともいわれています。

サメ類(ごくごく一部)

硬骨魚類🐟と軟骨魚類🦈

そんなサメたちですが、私たちが普段よく目にするタイやアジ、スズキ、ウナギなどとは違った仲間に分類されています。
魚は硬骨魚類、軟骨魚類、無顎類の大きく3つに分けられます。この中の硬骨魚類(こうこつぎょるい)軟骨魚類(なんこつぎょるい)に注目してみましょう。
硬骨魚類は先に書いたタイやアジなどが分類されるグループで、軟骨魚類にはサメの他にエイやギンザメという魚が分類されます。

硬骨魚類たち

「骨格」は何でできている?

硬骨魚類と軟骨魚類にはいくつかの違いがありまして、そのひとつが「骨」ですね。
それぞれのグループに「硬骨」「軟骨」とありますが、硬骨魚類は体の骨格が石灰質を多く含んだ硬い骨でできています。一方の軟骨魚類ですが骨格は軟骨でできています。
軟骨は弾力性のある柔らかい組織ですがもろく腐りやすいため、サメが死んで長い年月が経つと歯しか残りません。
硬い骨であれば化石としても残りやすいですしそこからの復元も比較的やりやすいのだと思いますが、基本的に歯しか残らないサメは歯の大きさなどから全体を考えていかなければならないため復元の苦労は計り知れないものです。
しかし、全容がなかなか見えてこないからこそ情報を得る側の私たちはいろんな想像を膨らませることができますし、そこがおもしろいところだと感じております。

それぞれのエラに注目!

少し話は逸れましたが、硬骨魚類と軟骨魚類のちがいに「エラの数」もあります。
エラは水中で暮らす魚たちが呼吸するのに必要な器官ですね。
硬骨魚類はこのエラを鰓蓋(えらぶた)というものが覆っており、これが頭部の左右にひとつずつ(一対)あります。
軟骨魚類は体に特徴的な裂け目があってこれは鰓孔(えらあなまたはさいこう)と呼ばれます。
数も硬骨魚類の鰓蓋は一対でしたが、サメやエイの鰓孔は通常5対、多い種であれば6対や7対あります。


ちなみに、サメとエイの違いで挙げられるのはこの鰓孔の場所で、サメは体の側面に、エイは腹面にあります。

エイの腹面(おなか)

ここまでは硬骨魚類と軟骨魚類の違いについてざっくりと書いてきましたが、ここからはサメについて書いていこうと思います。

いきなりですが、サメの大きな特徴といったらどんなものが思い浮かびますか?

私は真っ先に「歯」が思い浮かびましたね。

サメといったら立派な歯!

鋭く尖った歯で獲物を喰いちぎる映像を見たことあるという方も多いのではないでしょうか。

実はサメの歯、エサの捕り方や食べ方によって大きさも形も異なります。例えばホホジロザメなどのような獲物に噛みつくための歯やネコザメのような貝類など硬いものを噛み砕くための歯など形はそれぞれで、種類によっては上の歯と下の歯の形が違うようなものもいます。

ネコザメの歯は描くのが大変だったので・・・。


またサメの歯は何度も生え変わるという性質があり、抜けても抜けてもその後ろに生えている歯が前に出てきて一生生え変わり続けます。
人間は乳歯が抜けた後永久歯が生えてそれを一生大切にしなければ虫歯になって物を食べれなくなってしまうので羨ましい限りですね・・・。

アカシュモクザメの歯
顎の裏側には次生えてくる歯がビッシリ!
こちらはアオザメの歯。
大きな歯もこの通り。
いちばん手前に生えている歯のすぐ後ろには次生える歯がもう準備されています。


「サメの特徴といったら?」で上がりそうなものに「サメ肌」というのもありそうですね。

サメの肌ってどんなもん?

耳にしたことあるって方も多いであろう「サメ肌」。ザラザラした皮膚のことをそう言いますが、サメの体ってみなさん触ったことありますか?

最近ではおとなしいサメとふれあえる水族館さんもあるため「触ったことあるよ!」って方も中にはいらっしゃるかと思います。
触ったことある方はぜひその時の感触を思い出してください。そして触ったことない方はザラザラしたものをイメージしてみてください(お手元にサメ皮を使ったわさびおろしがありましたらそちらを触ってみてください)

私たちのよく知っている魚は体が鱗に覆われていますが、サメの体を見てみるとそのような鱗は見当たりません。
一見すべすべに見えるサメの体ですが、顕微鏡で表面を見てみるととても小さな鱗でビッシリと覆われた体が見えてきます。
この小さな鱗は歯のような形をしており、構造も歯とそっくり。そのことから楯鱗(じゅんりん)または皮歯(ひし)とも呼ばれます。
この小さな鱗(以降は皮歯といいます)がサメ肌の状態ですね。

ちなみに皮歯と歯の構造が似ていることについて、一説では大昔に生息していた魚の口周りに生えていた皮歯が獲物を取るために大きく変化し歯になったのではないかともいわれています。
なかなか興味深い説ですね!

ここまでサメについていくつか書いてきましたが、最後にひとつお伝えしたいことがあります。

人喰いザメは〇〇!!

映画やらメディアの影響で「サメは怖い」「サメは人を食べる」といった印象を持っている方は多いと思います。
確かにサメは体が大きいですし鋭い歯や貝殻をも噛み砕く丈夫な歯を持っています。そのため人間が噛まれようものなら軽くてもくっきりと歯形は残りますしひどい場合は致命傷にも至ります。
実際、サメによる被害も日本を含む世界で報告があります。

しかしサメが故意に人間を襲っているのかといえばそうとは言い切れません。
サメによる事故はたまたまサメの近くに人がいて、それを獲物と見間違えたから起きてしまうことだと考えられており、世間で言われているような「人喰いザメ」なんてものは存在しません

とはいえ、サメは血の匂いに敏感なので万一のリスクを下げるためにも怪我した状態でサメの近くに行くことは避けた方が良いですね。
(むしろ、サメたちにとってはヒレ目的で乱獲してくる人間の方がよっぽど恐ろしい存在だと思います)

海に行ってもしサメに出会したとしても焦らないこと、サメが出るとされている場所では泳がないこと、これらを守っていくことが大切ですね。

「海は怖いけどサメは見たい」って方はぜひ水族館に足を運んでください!
ホホジロザメなどのような外洋に暮らしており飼育の難しいサメはいませんが、サメらしい見た目のサメや変わった見た目のサメに会えることもあります!
今はいないサメもいますが、過去6年間に桂浜水族館で飼育していたサメを紹介して今回は終わりとさせていただきます。

桂浜水族館のサメ!🦈

【シロザメ】
メジロザメ目ドチザメ科
全長1mほどのサメで、性格は穏やか。
【ドチザメ】
メジロザメ目ドチザメ科
底生のサメで、褐色の体には縞模様があります。この縞模様は成長とともに薄くなっていきます。
【テンジクザメ(シロボシテンジク)】
テンジクザメ目テンジクザメ科
底生のおっとりしたサメ。
体に白い斑点があります。
【ネコザメ】
ネコザメ目ネコザメ科
おとなしいサメですが貝類や甲殻類の硬い殻を噛み砕くほどの顎を持っており、サザエワリと呼ばれることもあります。
2024年11月末現在は飼育しておりません。
【ナヌカザメ】
メジロザメ目トラザメ科
陸にあげても7日生きられるという言い伝えからこの名前がつけられたそうですが、実際にはそんなに生き続けられません。
かつて深海水槽があった頃、私が入社した2018年ごろは飼育していました。今はいません。
【カスザメ】
カスザメ目カスザメ科
エイのような平べったい見た目をしていますがサメの仲間です。
底生のサメで体の模様は砂に擬態するとき役立ちます。
普段じっとしてるのに、ごはんを口の前に持っていったらバクッと音を立てて食べるので給餌が怖かった思い出があります。
今は飼育しておりません。

ちなみに私はサメ好きですが、2024年4月より同じくサメ好きでかつサメの知識もたくさん持っているスタッフが入社してくれましたので、サメについて知りたいなーって方はぜひぜひ私たちにお声かけください!🦈
詳しくなくても好きって気持ちがあれば大丈夫!
ともにサメ愛を語り合いましょう!!

飼育学芸員
フジ