天国への旅立ち[コツメカワウソ(フク)]
2024年10月12日の早朝、当館で飼育いていたコツメカワウソの「フク」が死亡しました。
フクは2009年7月8日生まれ。
今年15歳になったおばあちゃんカワウソで、当館には2021年10月に神奈川県の京急油壺マリンパーク(同年9月末閉館)からオスの「ダンデ」と一緒にやってきました。
桂浜水族館に来てからはアシカプール内にある飼育舎で2頭仲良く暮らし、舎の丸窓から顔をのぞかせている姿が印象的でした。
私は直接飼育に携わったことありませんが、気が強くアシカに立ち向かっていったという話は聞いていましたし、掃除のときアシカプールとペンギン舎を隔てる壁の下のアクリル部分に行ったり来たりしている姿もよく見かけました。
2年ほど前にはおでこが腫れてごはんが食べにくくなってしまう時期がありましたし、腫れが完治した後も高齢による食欲の減退やそれに伴う痩せが見られることもありました。また今年の7月24日には長年共に過ごしてきたダンデが亡くなりフク1頭だけになっていました。
フクにとって大変な時期も辛い時期もあったとは思いますが、それでも最期まで目の輝きは衰えることなく逞しく生き、今朝静かにその生涯を終えました。
これまで共に過ごしてきた仲間がまた1頭空へと旅立っていきましたが、フクはきっとダンデと再開して仲良くやっているだろうと思いますし、先にそちらへ行った桂浜水族館の仲間たちとともに今を生きる私たちを見守ってくれていることでしょう。
これまでフクを愛し応援してくださった皆さまに心からお礼申し上げます。
なお、10月13日より当館ペンギン舎横にてフクの献花台を設置させていただきます。
(献花台の上に飲みかけのペットボトルや空き缶、自身が出したゴミなどを置いて去らぬようご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします)
飼育学芸員
フジ