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フンボルトペンギンは何年生きる?

日本国内で最も多く飼育されているペンギン、フンボルトペンギン。

飼育下での平均寿命は20~25年といわれています。
(20~30年という説もあり)

これはペンギンの種類や野生で暮らしているか飼育下で暮らしているかによってもそれぞれ異なり、たとえば飼育下のフンボルトペンギンには外敵がおらずごはんも安定してもらうことができ健康管理もなされていますが野生では外敵もおりごはんが食べられるかどうかや繁殖がうまくできるかどうかはペンギンたちを取り巻く環境によって左右されます。そのため平均寿命は飼育下のフンボルトペンギンよりも短いものと考えられています。

また、この数字も一般的に言われているものにすぎず実際の寿命が何歳なのかははっきりとした答えが出ておりません。
20歳を過ぎたあたりでお亡くなりになる個体もいれば30歳を超えても元気な個体だっていますし、40歳のフンボルトペンギンもいたなんてこともいわれています。
平均寿命が25歳前後とすれば30歳だと人間に当てはめれば100歳くらいということになるのでしょうか?だとするとそれ以上は驚くべき長生きですね!!

当館のペンギン団地で暮らすフンボルトペンギンの中にもお年寄りの個体は数羽います。
はっきりとした記録が残っている個体で最も高齢なのはビッケというメスのペンギン。
2002年3月4日生まれで、2007年の2月に愛知県の水族館から桂浜水族館へやって来ました。体は小さくペンギン団地の中では最軽量の1羽ですがこれまでに10羽近い子を産み育てたお母さんで、ごはんのときも私たちの後をついてきてもらった大きなアジやイワシを小さな体でごくりと飲み込むため頼もしいものです。

左のフリッパーに「ビッケ」と書かれたワインレッドの名札をつけています。

そそてもう1羽、サヌキというメスのペンギンがいます。
サヌキは生まれた年や日の明確な記録が残っていないためはっきりとした年齢はわかっていませんが見た目的にビッケよりも年上で、40歳を超えている可能性もあると考えられています。

左のフリッパーに黒字で「サヌキ」と書かれた白い名札をつけています。

パッと見てもかなりのお年寄りだとわかるくらいで最近はあまり動くことなくある場所に行くとそこで長時間じっとしていることも多いサヌキですが、毎日元気に泳ぐ姿を見せてくれますし、他のペンギンたちよりも低速のよちよち歩きですが自身である程度の運動はするようにしていますね。
食欲も若いペンギンたちに負けぬくらいあり、大きな魚を何尾も食べる様子を見ているとこちらも安心します。

これまでに6羽のペンギンを育て(うち1羽は人工育雛(📖じんこういくすう:飼育員が親代わりにヒナを育てること))、その多くが他の動物園や水族館でがんばっています。
当館には2羽の息子たちがいますがどちらも体は大きくとてもたくましいペンギンたちです。

サヌキと息子たちのひとこと紹介


私たちはお年寄りのペンギンたちがこの先も元気でいられるよう、若いペンギンたちも今のお年寄りと同じくらいやそれよりも長く元気に長生きできるよう日々の健康管理に努めていきます!

※サヌキは2024年9月6日、老衰により天国へ旅立ちました。

飼育主任学芸員
フジ