干支引継ぎ式、今年も開催します!🐉🐍
毎年12月恒例のイベント『干支引継ぎ式』、今年も開催いたします!
干支引継ぎ式は高知市にある水族館と動物園、桂浜水族館と和の森わんぱーくこうちアニマルランドさん(以下:アニマルランド)の2園館合同で開催しているイベントで、水の生きものと陸の生きものの深いつながりを多くの方に伝えたいという想いから始まりました。
式の主な内容としましては、2園館がそれぞれ干支にちなんだ動物を出し合い、その年の干支代表を務めた動物から翌年代表となる動物に委任状が贈られ、翌年の代表からその年の代表には感謝状が贈られます。
2011年に第1回目の式が開催され、今年で14回目を迎えます。
14回目の式では2024年の干支代表を務めたアジアアロワナ(桂浜水族館の飼育個体)と2025年の干支代表に就任するボールニシキヘビ(アニマルランドさんの飼育動物)が登場します。
あと十数日2024年が残っているので、なぜ当館からの干支代表動物がアジアアロワナなのかについて簡単に触れさせていただきます。
アジアアロワナは東南アジア原産の淡水魚で、大昔からほとんど姿を変えていないため「生きた化石」や「古代魚」とも呼ばれます。
長い体、斜めに裂けた大きな口、口の先にある2本のヒゲ、そして大きなウロコが特徴の魚で、中国などではその見た目が龍を思わせることから「龍魚」と呼ばれ、富や幸福を呼ぶ縁起の良い魚として文化的に重要視されています。
ちなみにマレーシアの限られた水域にのみ生息し、ウロコのふちが背中まで金色になっているアジアアロワナは過背金龍(かせきんりゅう)と呼ばれます。原産地にちなんでマレーシアゴールデンと呼ばれることもあります。
現在、当館で飼育しているアジアアロワナも過背金龍ですね。
龍魚と呼ばれていることや富、幸福を呼ぶ魚と信じられていることから当館は2024年辰年の干支代表動物にアジアアロワナを選びました。
アジアアロワナが代表を務めた2024年も残りわずかで、その役目は2025年巳年代表のボールニシキヘビに託されます。
ヘビにまつわる神話や伝承は世界各地に存在し、何度も脱皮をすることから「変化」や「死と再生」、「新たな始まり」の象徴とされてきました。
少し話は逸れますが、医療を象徴するものにヘビの巻き付いた杖が用いられることがしばしばあります。たとえば世界保健機関(WHO)のロゴがそうですね。
あの杖はアスクレピオスの杖と呼ばれ、アスクレピオスはギリシャ神話において名医・医術の神として登場します。医神アスクレピオスが持っていたことから、今日ではその杖が医療の象徴として広く用いられるようになったとされています。
現代社会において、ヘビはにょろにょろとした見た目や草むらなどを忍んで行動すること、毒をもつ種も多いことなどから「気持ちが悪い」「狡賢い」「怖い」といったマイナスなイメージを持たれがちですが、先に書いた通り古来より死と再生の象徴や医療の象徴として各地で信仰されてきたほか、作物を食い荒らすネズミを捕食することから豊穣の神として、細長い体が川を思わせることなどから水神として神聖視される存在でもあります。
多くの場面において信仰の対象となるヘビの年がもうすぐでやってきます。
2025年は変化を受け入れつつ新たな物事にも挑戦し、かつ高く掲げた目標を達成していける年にしたいですね!
そういう想いを込めて、干支代表を託したいと考えております。
なお、干支引継ぎ式は
2024年12月14日㈯ 13時から
桂浜水族館 本館内淡水エリアにて開催いたします。
当日水族館へお越しになる予定の方は是非ご参加くださいませ!
飼育学芸員
フジ