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ゾウリエビ《展示動物解説》

桂浜水族館の生きもの観察をもっとおもしろく、もっと詳しく‼️
こちらでは水槽周りの魚名板で紹介しきれなかった生きものたちの魅力を掘り下げていきます❗️

※生体の健康状態や展示替え等によって展示終了となりご覧いただけない場合もあります。ご了承くださいませ。

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◆標準和名 ゾウリエビ
◆学  名 Pariibacus japonicus
◆分  類 十脚目セミエビ科

◆解説
上から見ると草履(ぞうり)のように見えることからこの和名がつけられており、その名の通り平べったい姿をしています。

セミエビの仲間で形はセミエビなどに似ますが、ゾウリエビの頭部から胸部を覆う厚い甲(頭胸甲:とうきょうこう)の縁にはギザギザがありこれでセミエビと見分けることができます。
また同じ仲間にウチワエビというエビがおり、こちらも頭胸甲の縁にギザギザがありますが、ウチワエビのギザギザはゾウリエビよりも切れ込みが深く、頭胸甲も団扇(うちわ)のごとく左右に広がっています。
これらの違いを見つけられれば似ている仲間であっても見分けることができます!
ちなみに日本に住むゾウリエビの仲間にはミナミゾウリエビという種もいて、こちらはとても良く似ているので見分けるのがかなり難しいです。

体長は15㎝ほどで漁獲量も少なく市場で見かける機会はあまりありませんが、とてもおいしいエビとされています。

左の大きいのがコブセミエビで、右の小さいのがゾウリエビ。
種こそ違えどこうやって見ると兄弟みたいですね(笑)

◆スタッフコメント
縁はギザギザしてますが体はセミエビのような凹凸がなく小さめでもあるため、いかつさよりもかわいさがあると思います。
見るのも良しですが、もし食べる機会があればその味も確かめてみたいもんです(もちろんですが、展示個体は食べませんよ💦)

飼育学芸員 フジ