見出し画像

身体の要

飼育員には体力や筋力が必要です。

獣舎を掃除するのにもたくさんのごはんを運ぶのにもそれらは欠かせませんし、多忙な業務に追われるなか体を使わずゆっくり仕事をしているとすぐに時間は過ぎ仕事ばかりが溜まってしまいます。
かと言って、「まだ若いから大丈夫だ!」って負荷をかけすぎるとすぐ体のいろんなところが悲鳴をあげ出します。

筋肉痛であればお風呂にどぼーんと入ってよく寝ればすぐに良くなりますが、気をつけなければならないのは腰痛。

身体を表す「月(にくづき)」に「要(かなめ)」と書いて「腰」。
それだけ体の中でも重要といえる部位ですね。

そこを痛めてしまうと歩いても上半身を動かしてもキーンと響くため多くの仕事に支障が出てしまいます。
全身を使って仕事をする飼育員としてはとにかく気をつけなければならないものですね。

・・・とはいえ、どれだけ気をつけようと思っても元気なときに無理をし過ぎてそれが蓄積し痛めてしまうことは残念ながらあるもの。
筋肉の正しい使い方をあまり理解しないまま、多少の負荷でもこうしたほうが一気に仕事を終わらせられるだろうと無理してしまうこともあるんですよね。
その結果、体を痛める飼育員は当館に限らず意外とたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

かくいう私もこの仕事を始めてから3度ギックリ腰になりました…😅
(ギックリ腰って正式には急性腰痛症っていうらしいですね)
幸い、ギックリ腰になっていたときに体のことをよく知っている方々がお客様として来てくださり腰や筋肉の正しい使い方などを教えてくださったことや整体でも治療を受けたことにより、最近は腰に痛みを感じても比較的軽症で済むようになりました。
(動物・お客様・スタッフとの距離が近いうちだからこそ親身に教えていただけることであり、これは本当にありがたいことなんだといつも感謝しております😊)

そんなこんなで、無理をしてもその時ほんの少し楽と錯覚するだけで、その後に待っている代償は大きいものです。なので無理は禁物!無理して疲労を溜め込まないこと!
自分たちがダウンして一番迷惑をかけてしまうのは担当している動物たちなんですから。

健康な体でいつまでも動物たちと仕事ができるよう、無理はせず適切に体を使い筋肉もつけ、時には労わってあげることが大切ですね☺️

この仕事をしながら歳を重ねるとほんとこれらの大切さを見に沁みて感じます。

体を使うお仕事の皆様も、くれぐれもご無理なさいませんように。


飼育学芸員
フジ