あの日までの道のり、あの日からの道のり「(15最終回)水族館スタッフとして」
「これが私の天職です」
ペンギン担当になってから約5ヶ月後の2021年2月。ともにリクガメ・カピバラを担当していた後輩が退職し、私がその3種をメインで担当することになりました。
リクガメやカピバラもこれまでなかったものを作り上げるべく、より楽しくごはんを探して食べられるよう与え方を変えたりごはんの種類の細分化や掃除方法などのマニュアル作成に勤しみました。
動物飼育はマニュアル通りにいかないものですが、感覚だけで自分がわかったつもりでいても下の世代に同じ情報をそのまま伝えることは容易ではありませんしね。
それに何かを作るためにはよく観察しひとつでも多く相手のことを知らなければなりません。
その観察から少しずつ知識が増えていくことやそれを飼育業務に活かせることが変わらず大きなやりがいでした。
館内の掲示物などもこれまで通り作成していき、気がつけば魚類班、海獣班その両方に少しずつ足を突っ込む唯一無二なポジションになっていました。
企画展づくりや実習生の受け入れなどにも携わり、館外のイベントや出張、講義に行かせてもらえる機会も増え飼育だけでなく学芸員としての仕事も両立できるようになりました。
プライベートでも仕事仲間数人と集まってお出かけしたりうちでアニメを見る「藤井の会」を結成したり家族が増えたりと幸せで充実した日々が送れています。(藤井の会は現在活動休止中ですが会の絆は存続中です!)
ここに至るまで決して平坦な道ではありませんでしたが、多くの人に支えられあきらめないこと、目標を持って生きることの大切さ、伝える難しさ、信じることの怖さと素晴らしさ、真実を見抜く心の強さと観察力などたくさんのことを学びここまで走ってこれました。
大切なものをたくさん手にし、何もこぼさず走り続けてきたこの道。
この先も多くのことを学び宝物を手にしながら進み続けたいと思います。
ここまで15回に分けて自身のことを書いてきましたが、読んでくださった皆様にお礼申し上げます。
また、今日まで隣や近く、遠いとこからでも私を支えてくださった皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。
ありがとうございました。
そしてこの先も動物たちとともに生きる私を、そしてそんな自分に数えられないほど多くの機会をくださった桂浜水族館をどうぞよろしくお願いします!
スタッフ・フジ