367 (再)なおし屋(序)

  もったいないおやじは、水族館の飼育員として半世紀を超えたが、その活動の半分以上はお魚や動物達ではなく、設備や機械類の保守点検に費やされてきた。この“エコおやじの履歴書”にも、ポンプ(234~244ポンプのお話)や機械類(191~199長寿道具類)のお話を随分書いてきた。現在は使い捨ての文化が広がり、若い者は古い道具などは使いたがらない。壊れたらすぐ買い替えてしまう。私は戦後の物が無い時代に育ったし、就職してからも館長等に機械類は修理しながら大切に使うことを教え込まれた。そして現在では“タカヤなおし屋”と呼ばれ、なんでも壊れたらまず私のところへ持って来る習慣が出来上がっている。時には不可能と思えるような物を生き返らせて“ゴッドハンド”などとおだてられることもあった。前週までは“グヤジー”お話だったので、今週からしばらくは修理に成功して“ヤッター”と喜んだ、自慢話を書いてみたいと思う。