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ペンギンたちの見分け方

ペンギンたちの見分け方。
それはずばり、名札を見ることです!!!

・・・で終わるのはあまりにも雑なので、当館のフンボルトペンギンたちの見分け方とよく用いられる見分けについて今回は書かせていただきます!

フンボルトペンギンは国内で最も飼育数の多いペンギンです。
そのため動物園や水族館を訪れたとき会ったことある方は多いのではないでしょうか?
その際、ペンギンたちがフリッパーに赤や白や黄色などの何かを着けているのにお気づきの方もいらっしゃるかと思います。

あれがペンギンたちを見分けるための名札がわりのものです。

自分の知る限りかなり多くの園館ではフリッパーに色の付いたバンドやインシュロック(ロックタイとか結束バンドとかいろんな呼び名のあるアレ)を着けています。なかにはバンドに数字を書いていたり複数の色付きバンドを着けていたりするところもありますね。

ペンギンたちは見た目が似ているため、パッと見ただけで見分けるのはなかなか難しいですし異変があったときその状態と体の特徴を同時に覚えるというのはなかなか手間のかかることです。

しかし、こういったバンドを飼育下のペンギンたちに着けることで見分けやすくなり確実に個体ごとの健康管理ができるわけなんです。

もちろん、桂浜水族館のペンギンたちもそういった名札を着けています。
しかし、バンドではありません。
そのまんま『名札』を着けています!

こちらのネームプレート(名札)、ベテラン飼育員の手作りです!


私たちはこれを見ながら誰が誰なのかを見分けています。
またこう言った名札をつけることによってお客様にも名前を覚えていただきやすくより身近にペンギンたちを感じていただけるのではないかと思っています。

けどちょっと待った。
もし名札が一度に数羽分取れてしまったときはどうするの?

と疑問に思った方、もしかしたらいらっしゃるのではないでしょうか?

大丈夫です。
ペンギンを担当して3年半、名札がなくても顔の違いや行動の違いからペンギンたちを見分けることができるようになりました!

顔もよく見てみると地肌がむき出しになったピンクの部分が多かったり少なかったりしますし、普段の行動も個体を見分ける上で大切な判断材料だと思っています。羽に癖のある個体もいて、生え変わってもなぜかその癖は残る…というかまた元に戻るんですよね(笑)なのでそれらも見分けポイントとしてみれば意外とわかりやすくもあります!
(ただし自分の場合行動込みで覚えているため写真になると「これどっちだ?」ってなる個体は何羽かいます💦それと、自分が担当しているペンギンたちだから見分けられるってところもあります😅)

しかし、名札がなくても顔や行動をじっくり見て覚えなくてもいい見分け方というものがあります。
これは野生下におけるフンボルトペンギン調査の際にも使われる見分け方です。

以下の写真をご覧ください。

ツル
テツ
スミレ
ネネ、ハク

わかりましたか?

それぞれが違うところ、

それは『おなかの斑点』です。

フンボルトペンギンだけでなくその仲間(ケープ🐧やマゼラン🐧、ガラパゴス🐧)にも見られるこの斑点、実は1羽1羽点の場所も数も違います。

そしてこれは羽が生え変わってもほとんど位置は変わらず残り続けます。
羽の癖や行動、顔つきには時期や状態によって変化も見られますがこの斑点は変わりません。

そのため本気でペンギンたちを見分ける際はここを見ていただけるとバッチリです!👍

またこのおなかの斑点は点を結ぶと何かの形に見えたり数字や文字に見える時もあるので、雲や星座を観察する感覚で見ていただけると普段とは異なる楽しみもあります(笑)
(今は新天地へと旅立ったあるスタッフは昔ペンギンたちのこの点をつなげてオリジナルの星座みたいのを考えてました(笑))


フンボルトペンギンの体や行動を見つつおなかの斑点でも遊んでみる、それを繰り返しているうちに気付けばあなたもペンギンたちの見分けをマスターしているはず!!

おなかの模様で推しのペンギンを決めるというのも一つの手ですね!

最後に、最近Instagramにも動画を投稿させていただきましたのでよろしければそちらもご覧ください😊


飼育主任学芸員
フジ🐧