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日淡いろいろ川干水槽!🏞️

川干という言葉をご存知ですか?
川干と書いて「かわひ」と読みます。

川干とは、川から農業用水路への水の流れを止めて一時的に干上がらせることをいい、高知では3月初旬に行われます。
農作業が忙しくなる時期(農繁期)に向けて行われ、用水路がからっぽになるとそこに溜まった土砂を取り除いたり川の清掃をしたりします。
しかしその過程で川に取り残されてしまう魚もおります。

当館では毎年その時期に合わせて取り残された魚を捕りに行きバックヤードや一部の水槽で展示をしていましたが、今回は「川干で捕れた魚」にもスポットを当てようと展示替えの際に新たな展示を始めました。

それがこの川干水槽です!

ここにいるのはコイやオイカワ、カワムツといった日本産淡水魚、略して日淡(にったん)と呼ばれる魚たちです。

川や用水路などに住んでおり、水路を覗き込んだときに見かけるのは大抵がここで展示しているような魚たちです。

身近な魚たちですがどれも同じに見えて難しく感じてしまう川魚たち。
ご覧いただいた際はぜひそれぞれの違いをよく観察してみてください!

【オイカワ】
コイ目コイ科の魚。大きな尻ビレが特徴で、繁殖期になるとオスの体はとても綺麗な色になります。
【カワムツ】
コイ目コイ科の魚。形こそ違いますがオイカワと同じく尻ビレが大きくなります。オイカワと比べ丸みを帯びた顔も特徴のひとつですね。体の側面には太い紺色の縦帯が走ります(写真右側の個体は縦帯の色が薄めですね)
【ウグイ】
コイ目コイ科の魚。細身な体をしており色は銀白色ですが、繁殖期になると体の色がガラッと変わりオレンジや黒色の縦帯が現れます。
【コイ】
コイ目コイ科の魚。淡水魚の中では知名度の高い魚で、ずっしりとした体が立派ですね。わかりにくいですが口の周りには2対4本のヒゲがあります。
【ニゴイの仲間】
コイ目コイ科の魚。コイに似ているから「ニゴイ」。ですが体は細く目から口先までが長く伸びます。背ビレもコイは尾ビレの近くまでありますがニゴイは背中の一部のみとなっています。
【ギンブナ】
コイ目コイ科の魚。体の形はコイに似ますがコイほど大型にはならず口の周りにヒゲがありません。ほとんどがメスで、ギンブナの卵は他の魚の精子でも受精しその卵からはギンブナが生まれるという不思議な生態をしています。


飼育学芸員
フジ