君が生まれた日のこと、覚えてますか?🐧
Happy birthday‼️🎉
今日は当館で暮らすフンボルトペンギン「本丸」の誕生日です!
2020年12月4日にはんぺん・アヤメペアから1羽目のヒナが誕生し、翌5日に2卵目のヒナ、本丸が誕生しました。
私がペンギン担当になったのは2020年の9月中ばごろ。担当になってすぐ訪れたのが飼育個体の繁殖、ヒナの孵化でした。
いきなり訪れたペンギンを深く知るためのチャンス、せっかくの機会ですし毎日体重を測り成長の様子を記録することにしました。
これまで毎日体重を記録した例はなく、必要以上に人が関わることで親鳥がヒナを育てなくなるのではないかという恐れもありました。
しかし飼育動物を繁殖させるにも決まりがありますし、増やしたいから増やせるといったわけではありません。
そのためこの機会を逃すとなかった情報がまたないまま終わってしまうことになります。
それは避けたいという想いがあり、細心の注意を払って体重測定を行うことにしました。
本丸より先に生まれたヒナはごはんを食べるのですが体重に差がつくようになり、それを知ることができたのも毎日記録していたからなのですがこのままではさらに体重が減って危険な状態になってしまうのではと判断し、人工育雛(人の手によってヒナを育てること)の経験があるスタッフに託すことにしました。
本丸は1羽になってからもよく食べよく育ち、最初「1ヶ月で体重1kg、2ヶ月で2kg」を目安にと教えてもらっていましたが1ヶ月半ほどで体重は2kgを超え、2ヶ月目が目前となった時には3kgとなっていました。
増えるときは一気に増え、たまに減るときがあり、親の食べた量によって増える時もあれば減るときもある、非常に興味深いデータを得ることができました。
人工育雛に切り替えたヒナは12月末ごろに残念ながら亡くなってしまい、命が育つ難しさというものを痛感しました。
初めての経験でたくさんの知見をもたらしてくれた本丸ともう1羽のヒナ。
無事元気に育った本丸は本日4歳になりました。
本丸たちの成長記録は1冊のアルバムとなって私の手元にあります。
当時の気持ちも毎日書いていたのでそのときどんな変化があり、どんな喜びがあってどんな苦労や心配があったのかなど今読み返してみると感慨深いものですね。
いずれはなんらかの形で外に出したいなとは考えていたのですがこの世に1冊しかないゆえ、小規模なイベントでたまに公開するに留まっていますね。
ただいつかはなんらかの形でペンギンの成長のおもしろさや不思議、親子の絆と愛情の深さをペンギン好きさんや家族愛で溢れた方々と共有できればな〜と思ってます😊
最後に本丸へ。
本丸の成長はペンギン飼育員である自分の成長でもありました。
その成長を支えてくれてありがとう。
桂浜水族館のペンギンを支えているといえどまだまだ未熟でもある自分がこれから先もっとペンギンについての知見を深め、限られた環境の中どのようにすればそこで暮らすペンギンたちや他の動物たちが楽しみや刺激を感じながら毎日を充実して過ごせるのか、その最も最適な答えを見つけられるようこれからもペンギン団地の一員として暮らしてください。
本丸もペンギン団地の住人たちも、私が担当させていただく動物たちもみんな、これからもよろしくお願いします!
飼育学芸員
フジ