あの日までの道のり、あの日からの道のり「(14)そしてペンギン担当に🐧」
「やるからには徹底的に!ないものは全て築き上げる!」
動物園から戻ってくる少し前、ペンギンの前々担当者(私が水族館に入社した時のペンギン担当者)から「帰ってきたらペンギンも担当してもらうことになる」と聞いていました。
動物園でインコなどの鳥類に携わっていた経験から後任に選ばれたんだと思います。
2020年4月1日、1年間の出向を終え水族館に戻ってきました。
戻ってきてしばらくは以前と同じく魚類をメインにし、当時のペンギン担当者(私の前任者)が休みの時はペンギンの飼育に入るようにしていました。
同年9月、前任者が突然の退職。
ここから私がペンギンのメイン担当となりました。
魚類の業務からは少しずつ離れていき、ペンギンを担当しつつ同じ班のもう1名と協力してリクガメとカピバラの飼育も担当、飼育以外では館内の魚のイラスト作成や掲示物作成が主な仕事となってきました。
ペンギン担当になってすぐくらいの時、飼育個体の老齢化などからペンギンの繁殖を行うことになりました。
自分が入社した前年を最後に繁殖を制限していたため3年ぶりとなるヒナの誕生日。
繁殖させるにあたって、どのタイミングでどれだけ成長するのかや親からのごはんではなく自分でごはんを食べるタイミングについての情報集めをしましたが参考になるものは見当たらず・・・。しかし繁殖に携われる機会なんてなかなかないと思い一から記録を作り上げていくことにしました。
生まれた日から毎日写真を撮って体重を測る、親がどれだけ魚を食べたかやヒナにどのようにして魚を与えたかなどを事細かに記録しました。
なんと1冊の成長アルバムが作れるくらいの情報を集めたペンギンは「本丸」という愛称をもらい今でも当館ペンギン団地で過ごしています。
ちなみに翌々年にももう1羽ヒナを孵すことになったのですが、そのときもアルバムを作りました(笑)
ペンギンたちの普段の行動や季節によっての変化を日々観察するという楽しさ、知れば知るほどわからないことも増えそれをまた理解しようと調べ知識を増やしていくおもしろさ、そしてこれまで残されていなかったものを自分が全て作り上げていくというやりがいが自分を突き動かしました。
《(15)に続く》