373 (再)なおし屋⑥温度計
昔、温度計と云えばアルコールか水銀の入ったガラス棒だった。しかし今は電気抵抗を利用した、液晶表示のデジタル型が主流となっている。ガラス棒型は、落として割れる以外はほとんど壊れないが、デジタル型はよく壊れる。特に海水用に使っている物は、塩分が悪さをするので基盤が漏電しやすくて度々壊れる。水槽にセットした温度計の表示が消えている場合、電池切れのことも多いが、電池を入れ替えても表示が出ないと、私のところに届けられる。そのときの修理法は決まっている。まず電池をはずし、ドライヤーで全体を暖めてみる。そして電池を入れなおす。一瞬でも表示が回復すれば、塩分による漏電に間違いないので見込みがある。分解して基盤洗浄(これがワイヤレスマイクのところで書いた“最終手段”である)に取りかかる。60℃ほどのお湯と、洗剤をつけた歯ブラシでよく洗い、その後充分に乾燥させる。これで90%以上は復活である。ヤッター!。