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来てしまった…鳥インフルエンザの時期🐓🐤🦆🐦🦃🐧

11月6日、先月末に徳島県内で死亡していた野鳥を調査した結果が出て、鳥インフルエンザ陽性反応が確認されました。

これを受け、当館では鳥インフルエンザ対策としてペンギン舎への接近を制限させていただくこととなりました。

11月7日の朝より、ペンギン舎周りをポールで囲いました。

鳥インフルエンザはその名の通り鳥が感染する病気で、A型インフルエンザウイルスによって引き起こされます。

家畜の伝染性疾病の発生予防やまん延防止を目的とした家畜伝染病予防法では、家禽(かきん)と呼ばれる鳥たち(ニワトリや七面鳥など人間が肉や卵、羽毛などを利用する目的で飼育する鳥)に対する病原性やウイルスの型によって「高病原性鳥インフルエンザ」「低病原性鳥インフルエンザ」「鳥インフルエンザ」の3つに分けられます。

📖病原性
ウイルスや細菌といった病原体が病気を引き起こす性質のことをいいます。

3つのうち「高病原性鳥インフルエンザ」は、感染率が強く死亡率も高い病気で、まん延すると大量死を引き起こすこともあります。

また鳥インフルエンザウイルスは、日本にやってくる渡り鳥によって海外から持ち込まれていると考えられていますが、鶏舎などには野鳥や野生動物、ハエ、人の衣類や長靴、器材や車両などの移動によって持ち込まれる可能性が考えられています。

感染力が高いためとある施設で感染が起きれば一気にまん延してしまいますし、野生動物や人、物の移動によっては近隣施設、さらに広い範囲にまで感染を広げてしまう恐れもあります。
この時期になると「どこどこの養鶏場でニワトリ◯羽殺処分」という痛ましいニュースを見かけることも増えますが、発生した養鶏場から近隣施設への拡散を防ぐためにこういった対策が取られています。

高病原性鳥インフルエンザのまん延によって多くの鶏が犠牲となりますし、鶏卵の価格が高騰する要因のひとつにもなっています。
ほんと恐ろしい病気ですね。

恐ろしい病気ではありますが、通常人に感染することはありませんし、国内で鶏肉や卵を食べて人が鳥インフルエンザウイルスに感染したといった事例は報告されていません。
ただし、ウイルスに感染した鳥に直接触れた場合や、その鳥の排泄物などにいるウイルスを大量に吸い込んだ場合などは極めて稀ですが人にも感染することがあるといわれています。
鳥に直接触れる機会はあまり多くありませんが、そのことを頭に入れ、私たちも気をつけなければなりませんね。

さて当館で行なっている対策についてですが、人に付着している可能性のあるウイルスがペンギン舎内に侵入しないようペンギン舎とお客様との間に距離をとっており、飼育スタッフも舎内に入る時は消毒槽に長靴を浸けることや入る前と後の手洗いを徹底するようにしています。

ペンギン舎の周りに置いているコーンは動かさないようお願いします。
消毒槽

その間餌やり体験は中止せざるを得なく、せっかくペンギンたちに会いに来てくださった方にもご不便をおかけすることになりますが、大切な水族館の仲間たちを病気から守るため、ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

たまにご質問をいただきますが、当館のペンギンたちが感染しているわけではありませんのでご安心くださいませ。

飼育学芸員
フジ